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民族間の紛争


私は小学校時代の社会科の授業で、国連の加盟国は110カ国くらいと、習ったのを覚えています。現在国連加盟国は192カ国です。この45年間くらいで多くの国々が国連に加盟しました。もちろん以前からあった国が後から加盟したものもありますが、多くは新しくできた国々です。

マタイの福音書24章には、イエス・キリストが終わりの時の前兆として語られたことが書かれていますが、7節には「民族は民族に、国は国に敵対して立ち上がり、方々にききんと地震が起こります。」と、あります。

1990年以降新しく加盟した国を見てみると興味深いことに気づきます。

1991年にソビエト連邦(ソ連)が崩壊し、多くの国々に分裂しました。これはペレストロイカと呼ばれる民主化に向けての政治改革がなされたことに起因しますが、このことを通して次々と民族主義が起こり、国々が新たに独立していったのでした。

まず、バルト3国と呼ばれる、エストニア、ラトビア、リトアニアが独立しましたが、それぞれエストニア人、ラトビア人、リトアニア人が中心に住んでいたところです。

続いて西アジア、カスピ海周辺にある、グルジア、アルメニア.アゼルバイジャン、カザフスタン、ウズベキスタン、キルギス、タジキスタン、トルクメニスタンが独立しました。これらの国々もそれぞれの民族が中心に住んでいるところです。

また、ソ連崩壊と時を同じくして、バルカン半島では1991年から旧ユーゴスラビアで分裂が始まりました。スロベニア、クロアチア、マケドニア、ボスニア・ヘルツェゴヴィナがまず独立し、そしてセルビア、モンテネグロと独立して行き、今年はコソボが独立宣言をしました。これらの国々も基本的には民族間の対立からできた国々です。

また、8月にはグルジアで南オセチア紛争が起きました。グルジアにはグルジア人が、南オセチアにはオセット人がおり、本質的には民族間の紛争です。しかし、この紛争の背景にあったのは、ロシアと西側の利権争いです。

グルジアにはカスピ海のバクー油田(世界でも有数の油田)から、黒海と地中海に抜けるパイプラインが通っており、また、将来的にはカスピ海北部の巨大油田カシャガン油田で生産される原油の輸送も計画されています。

グルジアのサーカシビリ大統領はアメリカのコロンビア大とジョージ・ワシントン大で法律を学び、同国で弁護士をしていたほどの親米派であり、ロシアとしては親ロシアの南オセチアを守り、グルジアを攻撃することにより、サーカシビリ大統領の親欧米政策を牽制する意味合いがあったのです。

終わりの時代の前兆である民族間の争いは増えてきています。私たちはそのことを見て行くとともに、民族間の争いを誘発させる、各国の利権争い、経済政策等にも目を向けておかなくてはなりません。

2008年8月

主の十字架クリスチャンセンター町田教会

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